Jan said ,

“It’s empty space and the ocean.”
実は”4 spectacles”の参加が決まってから、初めてWink (Kleefstra|Bakker|Kleefstra)の存在を知り、音源を聴いた。牧野氏から、WINKと一緒にやらないか?と言われ、何かの悪ふざけだろうと思ったものだ。(日本人がWINKって聞いたら大抵あの2人組しか浮かばないだろう。)そして、彼から送られてきたCDを聴いて、これは非常に面白いと感じた。何もない空間を彷徨うような、あるいは暗く静かな映画を観ているような感覚。静かに私のイマジネーションを喚起した。とにかく、これは音楽であり、映画でもあると思ったのだ。
私が今回のセッションに臨むにあたって考えたこと。
自分の映画に音楽を付けてもらう、というスタンスではなく、私と彼らで1つの作品を作るというスタンスで挑んだ。彼らの作り出す世界と、私の映像世界を共存させる。これは映画と映画の融合なのだ。

時間が限られている中、幸い、数年間温めていたイメージに、今回のセッションにマッチするものがあり、そのイメージを作品化することにした。彼らの来日後、ライブ会場でデモDVDを渡し、自分の映像に関して説明をし、好きなように演奏してくれと伝えた。余計なことは言わなくてもきっと上手くいく。と確信したのは、彼らが即興を主体にしていることと、ポエトリーリーディングのJanが語りかける内容を知ったからだった。

今回は、音楽と一緒に共演することを意識して作った。今後、仮に私の映画に”音をつけてもらう”としたら、私は自ら音楽家を選択するだろう。そして音楽を意識せずに作るかもしれない。
さて、具体的にどういった作品になったかはここでは言わないが、当日は満員で反応も上々。他の共演者たちもみな最高の笑顔でイベントを終えることができた。打ち上げでは何度「カンパーーーイ!!プローーースト!!」と言ったことだろう。結局、朝方まで最高にうまい酒を飲んでお別れをした。日本人は疲れてぐったりだったのに、彼らは驚異的なほどずっとテンション高かったな。みんな本当にいいやつでした。
4 spectacles
とても有意義な機会を与えてくれて、テレシネも担当してくれた牧野貴氏(彼はテレシネカラーリストとしても一流です。)、来日ツアーの企画を担当したCMFLG(カモフラージュと読むそうです。ずっとシーエムエフエルジーって読んでた。)のスタッフの方々、どうもありがとうございました。

[+]も”4 spectacles”も、あっという間に過ぎ去って、だいぶ昔のことのように思われる。僕たちはもう既に、次の段階に進んでいるのだ。