Kinema Nippon in Japan

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昨年の震災以降、日本の実験映画・ビデオアートを、復興支援のために世界中で上映を続けてきたKinena Nipponが、東京で開催されます。キュレーターの一人、アイリー・ナッシュも来日し、上映ツアーの報告も行います。また、参加作家たちのトークセッションもあります。

日本から生まれるアートフィルム
東日本大震災復興支援イベント
3/18(日)
@イメージフォーラムビル3階「寺山修司」
http://www.imageforum.co.jp/cinematheque/958/index.html
料金 1プログラム¥1,000

キネマ・ニッポン(www.kinemanippon.org)とは、日本の実験映画、ビデオアート、古典映画などを選出し、世界中の都市でアート施設や団体と協力し上映を行っている、東日本大震災の救済募活動を目的とした企画です。

このような、洞察力に富んだ日本の映画作品やビデオ作品を賛美し共有する事により、この困難な時期にキネマ・ニッポンが媒体となって映像における文化意識を集結させ、活性化させていきます。
アメリカで集められた全ての寄付金は日米協会の震災救済基金を、ヨーロッパでは日独協会を通して寄付されます。

(プログラム解説)
Nippon Re-Read: 日本のラディカリズムと抽象性
60年代後半から現代における様々な日本の実験映像がキネマニッポンの二部構成のプログラムで発表されます。全ての作品は、それぞれ異なる構造や美観を通しながら、実験的かつ革新的なミディアムを用いて、綿密に日常の環境を再考します。
プログラム1では、平凡さの抽象性を考察し、視覚の指示対象よりもそれぞれのミディアムの物質性に直接焦点をおきます。 飯村隆彦のWhite Calligraphy Re-Read (1967)は最初期の日本の歴史的な物語である古事記の日本語の文字を脱構築して、そのグラフィックな構成要素の組成を活性化するものです。Stom SogoのLika や牧野 貴の Still in Cosmos (2009) では、観客の注意をより絵画的なものへと向かわせ、デジタルとセルロイドのテクスチャー、音と画像の相互関係や、平坦性と奥行きの対比などを探求します。

プログラム2においては、ありふれたイメージの指示的意味の物語性を避けることで日常の不可思議さを明らかにする作品がとりあげられています。西川智也の Shibuya-Tokyo and Tokyo-Ebisu (2010)における騒々しい電車の駅の描写や、狩野志歩の作品における、典型的な日本の題材への哀愁を秘めた瞑想、松本俊夫の『薔薇の葬列』(1969)と同時期に制作された『つぶれかかった右眼のために』(1968)に見られる、60年代アングラを代表するようなスクリーンを引き裂く映像のハルシネーションなどは、それぞれ対照的な位置にあります。

[Program]
16:00 – Nippon Re-Read I (68 min)
Takahiko Iimura, White Calligraphy Re-Read, 1967, 12 min, video
Takashi Makino, Still in Cosmos, 2009, 18 min, 35mm/16mm/DV
Yoi Suzuki, et al., See-Sea-Saw, 2010, 10 min, 16mm
Stom Sogo, Lika (Licre) (edit), 2007, 26 min, video
Daisuke Nose, Down the Line, 2000, 2.5 min, 16mm

17:30 – Nippon Re-Read II (67 min)
Tomonari Nishikawa, Shibuya-Tokyo, 2010, 10 min, 16mm
Tomonari Nishikawa, Tokyo-Ebisu, 2010, 5 min, 16mm
Eriko Sonoda, Kagi, 2005, 6.5 min, 8mm
Toshio Matsumoto, For the Damaged Right Eye, 1969, 12 min, 16mm
Shiho Kano, Shinonome Omogo Ishizuchi, 2008, 15 min, DV
Shinkan Tamaki, One Record on December, 2007, 6.5 min, 16mm
Daisuke Nose, Time for Radio Exercise, 2003, 11.5 min, video
19:00 Discussion and Q&A with filmmakers
キネマ・ニッポン企画・制作
愛理・ナッシュ、ニーン・山本・マッソン
www.kinemanippon.org