白黒カラー

白黒はある種のカラーである、と言いたいのではなく、白黒フィルムの中にピンク色が入っていた。恐らくハレーション防止層(※)だと思う。
pink
この色の着いた層は、乳剤層とベースの間に存在していて、通常は現像中に脱色される。(なので、いままで気がつかなかった。)白と黒と無色透明の間に隠されたピンクを表出させる。削らずにあくまでも現像によってなのだが、この作業は、リンゴの皮をいかに薄く剥くかということに似ている。ということを、実家から送られてきたリンゴを剥いていて思った。


フィルムは乳剤層(画像を形成する層)とベース(ポリエステル等の支持体)でできている。乳剤を通過した光が、ベース面で反射し、再び乳剤層に戻って来る場合があるのだが、これはハレーションと言って、光が散乱したような画になってしまう。これを防止するために、通常は乳剤と接していない外側のベース面に黒色のハレーション防止層が塗られている。今回のフィルムは、乳剤とベースの間に着色されたゼラチンが防止層として存在している。